the end of the year









 昨年末はとても素敵な時間を過ごした。
シンガポールシンフォニーの主席を退任された後も、精力的に活躍を続ける、
アレクサンダー・スプテル氏と、マサコ・スズキ・ホワイト氏が来日し、
福岡でコンサートを開催した。
前半は楽器についてのレクチャーを私が。
そこから私が製作し、スプテル氏に愛用して頂いている楽器を使ってのコンサート。
コンサートで自分が製作した楽器の音が響き渡る時、それは喜び半分、不安半分。
我が子が発表会に出演する親の心境に似ているのだろうか。







 スプテル氏は本当の音楽というものを身をもって見せてくれた。
スプテル氏はどこに行っても、どんな場所でも、
突然にバイオリンを引っ張り出しては即興で演奏し、人を楽しませていた。

人を楽しませることを心から愛する音楽家がいて、
言葉の壁を軽々と超えていく音楽がそこにあり、
人々が音楽を心から楽しんでいた。
すべてが調和して溶け込んでいた。それは根源的な喜びの形をしていた。

その傍らに自分の楽器がいることを、とてもとても幸せに感じた。

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